昔から箱根山系は沢山の樹種があり、その樹種の天然の色を生かして様々な模様を作り、それを用いて箱などの製品にした物が箱根寄木細工です。 その始まりは古く、江戸時代後期に箱根の畑宿で石川仁兵衛氏によって創作さ れたと言われています。 技法も時代と共に進化していき、今では様々な模様を組み合わせた寄木を鉋で薄くスライスする「ヅク」と呼ばれる技法が開発され、この技法により大量生産が可能となり、今でも数多くの製品が生み出されています。 この優れた技術、技法が認められ、箱根寄木細工は昭和59年に通商産業大臣 より「伝統的工芸品」に指定されています。 僕らが携わる寄木細工は色々な種類の木、それぞれの色さまざまな性質を組み合わせることで模様や構造、その魅力を作り出します。
雑木囃子(ゾウキバヤシ)は、2005年に小田原箱根の寄木細工に携わる若手で立ち上げたグループで、ただいま6名にて活動中。
【雑木林・・・いろいろな樹種の混生林】
【お囃子、、、リズムや音楽】
からなるグループ名は、寄木細工の作られる様子をあらわすと同時に、僕ら活動理念をあらわします。
新しい作品製作の試みや、産地内外での作品展示を通じて、寄木細工、小田原や箱根、
僕らの産地への興味を持っていただく、きっかけとなれたならと活動しています。
まず、作りたい模様になるように天然木を配色し、それらを接着して重ね合わせます。
その重ね合わせた板を、模様ごとのパーツにカットして、さらにそのカットしたパーツを一つ一つ削り型で正確な形
になるように削りだします。
削りだしたパーツをそれぞれ接着し、単位文様を作ります。
その単位文様を一定の厚さ
にカットします。
次に、それらカットしたいくつかの寄木を組み合わせて大きな幾何学模様にしていきます。
これを「種板」と言い、種板を大きな鉋で一枚ずつスライスしていきます。
スライスして出来たものを「ヅク」と言います。
そのヅクを木製品の表面に接着して、最後に塗装をして完成です。
この他に無垢物と呼ばれる、寄木をスライスせずに天然木と組み合わせて箱物を作ったり、
寄木その物を轆轤(ろくろ)で削る技法もあります。
この轆轤で削る技法により、茶ずつやぐい呑みなど無垢特有の
丸みを帯びた形もでき、丸みの付け方によって仕上がる模様が一つ一つ異なるので、
これもまた寄木細工の魅力の一つです。